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「人の家に勝手に入るなよ…アリア」
と言ってみたが聞いていない
いつもの事だが…と俺は苦笑した
あいつ…つまりアリアは焦っていた
俺がのんびりしているので慌てて一言いった
「今日私達長老に呼ばれてるのよ?早くしてよ!」
…あれ、そうだっけ?
―なんて聞いたら怒り出すので心の中で呟く
時間を稼ぐために軽く話題をそらしてみた
「そういや長老は俺達に何の用があるんだ?」
「そうよね…あんたはともかく私は何もしてないのに…」
アリアが考え始めた
どうやら上手くいったようだ
俺はその間にゆっくりと身支度を済ませた
寝室を覗くとまだアリアは考えていた
相変わらず思考時間の長い奴だ…
「アリア、時間。」
そう声をかけるといきなり立ち上がり、
「やばっ!急がないと!」
と叫んで走り出す
これで遅れないんだから大したものだよ…
半分感心半分呆れて見ていた俺を
「早く、早くっっ」
アリアが急かした
そういや俺も呼ばれてたんだよな…
「分かったから袖を引っ張るな。伸びる。」
軽く手を払う
アリアは怪訝そうな顔をしたが俺は構わず走り出した
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