旅立ち

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長老の家は村の一番端にある ただ、小さい村だ 少し走ればすぐに着く 軽くドアをノックすると「どうぞ」と返ってきたので遠慮せずに入る その後に入ったアリアが丁寧に挨拶をしたが気にしない 「時間ぴったりじゃな、レン、アリア。」 そう言って微笑む長老。 彼の周りには数人の子供がいた ―孤児だ だからといってどうだというわけでもないが 俺も……孤児だから 何度か親の事を聞いてはみたがいつも返事は 「いつかわかる」 だった そんなわけで俺も…アリアも親代わりの長老には反抗しない 「長老、話って何ですか?」 アリアの直球の質問を聞いて俺は気がついた 長老は微笑んだまま子ども達を下がらせた その時の長老の目は何だか悲しそうだった その悲しげな目がこちらを見た 何かを話そうとしている だが何故だかはばかられるようだ 何度も口を開いては閉じている しばらくすると決心がついたのか長老は話し始めた 「お主等にまだ言ってない事があるじゃろ… そう、両親の事じゃ。 お主等ももう16歳… そろそろ話してもよい頃じゃ お主等の両親はな…殺されたのじゃ」
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