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まだ体も小さく、幼いこの少年。
結城亮(ゆうきりょう)
当時、4歳。
榊「さぁ、亮様。制服に着替えましょう。」
亮「自分で着替える!!」
榊「分かりました。では、榊はこちらでお鞄の準備をしていますので。」
5分後。
亮「…」
榊「おや?亮様、ボタンが…」
亮「もう、今日は行かない。」
榊「どうなさいました?」
亮「ボタンが…」
目にたくさんの涙を浮かべる亮。
榊は、亮に駆け寄ると、中途半端にはめ込まれた服のボタンを、綺麗にはめ込んだ。
榊「さぁ、出来ましたよ。」
亮「自分でやりたかったんだ…」
榊「亮様が、途中まで1人でやったじゃないですか。榊は、少しお手伝いしたまでです。」
亮「…」
榊「きっと、明日には1人で出来ますよ。」
榊の言葉に頷くと、亮は鞄を持ち「早く行くぞ。」と、榊を促した。
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