死神の暇つぶし

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揺椅子の隣りには、刺繍入りクロスのサイドテーブル。     その上には、花が描かれた青磁のティーカップが一客。 まるで、今淹れたかのように、湯気の出た紅茶がシュガーポットと共に並べられている。     そして、何処からか流れてくるのは、讃美歌だった。 パイプオルガンの音色に、英語か何かの言葉で、歌っている女性の声。       立ち上がろうとした時、膝掛の隙間から、白い封筒が、顔を覗いている事に気が付く。     封筒には『招待状』の文字が、無機質に印字されている。       封はされていない。      
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