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しばらくの間、友達から痴漢に遭ったことをネタにされた。
一ヶ月もネタにするような年頃。
16歳の健康な男子は、下ネタが大好物なのだ。
ある意味健全なんだろう。
あの事件から一ヶ月過ぎた日の夜。携帯が鳴った。
知らない番号からだったけど、学校の友達かもしれないと思ってボタンを押した。
『○○警察です』
悪いことは何もしてないのに、妙に緊張する。少し声が上擦ったかもしれない。
用件はあの事件のことだった。
『初めから男性を狙った痴漢だったようです』
はい?今何て言った?
女性を狙った痴漢ではなく、女性と間違えたわけではなく。
僕を痴漢したのだと……
よく解らなかったが、僕はもう関わりたくなかった。
厳重注意で事件は幕を閉じた。
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