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8~太一~
ゴールデンウイーク、思いもよらぬ旅行に行く事になった。
瑠璃の会社の女の子達と雅と共に、さしずめコンパ旅行って所だ。
しかし瑠璃の彼氏である勇にはちょっと悪い気もするが…ここは一つ楽しませていただくとするか!
しかし勇はいつもテレビでよく映されてるような、紐で繋がれた送検されてる人達を毎日見ながら仕事しているって訳だ。
俺らからすれば、まるで異世界!と、遠くから応援してるぞ…。
「…太一!聞いてるのかー?」
「お、わりーワリー。」
そうだ、雅と電話してたんだった。
コンパ旅行についての最終確認だ。
今回は急なので、土曜は準備にあてて、日曜出発と決まった。
今年は日曜が三日なお陰で、四日の月曜が振替休日で、五日の火曜も祝日。三日間の旅行だ。
「そいえばさ、俺ら二人なのに、女子が三人だとバランス悪くない?」
雅は時々変な気が利く。
「あとさ、お前も車出せよー。」
はいはい、出させていただきますってば!
「後は会社の子羊ちゃん、同じ子を取り合わないようにだけ気をつけよーね♪」
「お、おう!(むしろ二人とも雅になびいたら、俺はどうしたらいいんだ…。)」
そんな余計な心配をしながら、電話を切った。
あーあ、彼女かぁ。
俺は雅みたいに積極的にいけないんだよな、情けない。
なんてゆーか、気になる女の子が居ても、なかなか連絡先聞けないし、聞けてもなかなか連絡取る勇気出ないし、気付くとその子は他の積極的なやつと仲良くなってる。
みんなは俺を硬派だと思ってるみたいだけど…。
今更単なる照れ屋だとは言えないし、バレたくないぞ…。くそっ。
俺にはきっと積極的な子がイイんだろーな、なんて言い聞かせておこう。
そして見た目は、一重の子がイイ。そこは譲れないっ。みんなには変だと言われるが、みんなこそ判ってない!
しかし案外一重の子なんて最近見かけないな。みんなアイプチでもして隠してるんだろうか…。
はぁ。勿体ないもんだ。
そんな下らない考え事をしていたら、夜中の3時を過ぎていた。
さっさと雅に言われた頼まれ事を済ませて、もう寝よう。なんだかんだで日曜が楽しみになってきた。
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