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ぶるるるるっ…
また携帯が震えた。
「もしもし」
「あ、瑠璃ちゃん?そっちどう?太一号は順調ですかー?」
雅だった。
今回の旅は、雅と太一が車を出してくれて、それぞれが近場のメンバーを拾っていく事になっている。
そして途中から合流するのだ。
雅は今、麻布十番に住んでいる。
そして会社の西先輩は笹塚、加奈子は西大井に住んでいるため、二人を拾う約束になっているのだ。
三人は、12時に新宿駅で待ち合わせているらしかった。
西先輩と加奈子はともかく、二人の顔を知らない 雅は電話だけで、無事出会えるのだろうか…。
「実はこっち、まだ太一が待ち合わせ場所に来てなくて…30分位予定より遅れそうかな…。」
「まぁー、ゴールデンウイークだし、しょうがないでしょ。うまく調整して、早い方が先で待てばいいしね!って、実は俺もう新宿着いちゃって、暇だったって訳。」
「は、はやっ!」
「俺は、レディーを待たせる程野暮じゃねぇ。」
「…太一に野暮と言われていたと、言ってやる。」
「……前言撤回。あいつ怒ったら恐いんだから勘弁して。ま、じゃーまた後で!」
雅は、本当に………ちゃらいのやらなんなのやら。
あれでモテるのだから、世の中の女子の大多数と私は、きっと趣味が合わないはずだ。
それとも雅も、私と他の女の子に対しては接し方が違うのだろうか?
みんな、猫かぶりの雅に騙されているのだろうか??
うん、今回の旅での観察事項として、楽しみが増えたかもしれない。
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