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2~加奈子~
私はこの春から新入社員として、憧れていた商社で働きだした。
商社なだけに、これぞ人生の勝者だわ♪なんちゃって。
あぁあ、まずい、会社では大人しくしておかなきゃ。
社会人って大学生と違って毎日朝寝坊は出来ないし、キライな人とも普通に話さないといけなかったりなんかしてナカナカ大変!
あまりの環境の変化に、まだ体がびっくり状態ではあるけど、でも私も社会の経済を形成する輪の中に居るんだというちょっと誇らしい気分でもあるし、お仕事だって楽しいから…悪くないかな!
お仕事の内容といえば営業の代わりに見積りを作ったり、仕入れた商品の伝票処理をしたり、お客様の電話に応対したりと…一日は目まぐるしくて、あっと言う間に終わってしまう。
慣れないから、まだ苦戦して時間を若干無駄にちゃう。ほ、本当に若干だかんね!
こんな風に、人はいつの間にか年をとっていくのね、きっと…。
そんな中、周りよりひときわ落ち着いていて空気の読めるクールビューティーな先輩を発見!
隣の営業一課で事務をする倉下瑠璃先輩は、なんかこう大人っぽくて素敵な先輩っ。
私もあんな風になら、年とりたーい!
倉下先輩みたいになれるなら、早く年取る位なんてことないわっ。
でも先輩みたいになるにはまず、私も落ち着かないとダメかしら。先輩はきっと、私と違ってかっちょいい彼氏とか居るに違いない。
う~、お近づきになりたいな…。しかしそもそも課が違うから、話せるとしたらお昼休み位なもの。でもいつも交代が入れ代わりでニアミスなの。
どこも新人を先に休憩させるのが習慣みたい。はぁあ。
そんな事考えている時に、二課の先輩である西さんがもごもごと話し掛けてきた。
「ねぇ久保さん、今日休憩後半でもいいかな?私今日はちょっと12時から外に出たくって…ごめん!」
ははぁん。西先輩たら、大方彼氏あたりとお昼のお約束をしてるんでしょお。
そんなイヤラシイ詮索心はちっとも表に出さずに私は、もちろん大丈夫です、朝ごはん食べすぎたので調度良いです!と笑顔で答えた。
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