5~歴史~

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「なぁに」 キッチンへ行くと、勇が少し困った顔をして6Pチーズを手にしていた。 「賞味期限が昨日までだったみたいなんだ…。ワイン先に飲んで待っててよ。チーズ買ってくるからさ、ごめん。」 「…………。えぇ?!」 勇はやっぱりキッチリしている。 私なら……食べる。 でも勇は期限が書かれている以上、一日だって譲らない。 やはりダメなものはダメなのだ。 結局しばらく一人でお留守番になった。 勇は頼りになる。けど時々よくわからない部分もある。 逆にそういうのも魅力ではあるのだけど… まぁこのエピソードは、加奈子あたりなら、喜んで聞いてくれるわよね。 うん、好きそうだわ、話してみよう。 そんな所に突然携帯が鳴った。 大方勇が、チーズ以外に欲しいものが無いか聞く為にかけてきたのだろう。ルンルン気分で急いで出る。 「もしもーし」 「よぉ、瑠璃ちゃんたら随分ご機嫌じゃんか」 「!?(ゆ、勇じゃない!)」
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