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「いよいよ、明日だね」
「そうだな」
「ここまで長かったなぁー」
ちょっと意地悪そうに笑う彼女。
……うん。
本当長かった。
俺が意気地無しだったから。
「色々あったね」
「…千夏が海で溺れたり?」
「あれは大地くんがいけないんじゃん!
私を置いていっちゃうんだもん」
「泳ぎに自信ある!って豪語してたのは誰だっけ」
「…誰だっけねぇ?」
とぼける千夏。
………このやろ。
「嘘つきにはお仕置きだっ」
「きゃーっ!」
大声で笑い、おいかけっこが始まった。
でもすぐに僕が捕まえて終了。
抱き締めた僕より小さな小さな体。
明日は僕と千夏の結婚式。
千夏とは高校から同じ学校だったけど、話をし始めたのは大学に入ってから。
僕の友達に紹介されたのが千夏。
…初めは強気で負けず嫌いで、正直苦手だった。
どっちかっていうと、僕は活発的じゃないタイプだから。
正反対の千夏が羨ましくて、妬んでいたのかもしれない。
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