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『なぁにぶすくれてんの?』
ザワザワと五月蝿くざわついている教室で、一際場違いな位にぶすくれた顔をした俺に、一人のクラスメイトが話し掛けた。
こいつの名前は三浦 和(ミウラカズ)。
「…別に。」
一度はカズに向けた視線を元の位置にやると、再び頬杖をついた。
そして、わざとらしいくらいにでかい溜息を吐く。
もう肌寒くなり始めた外の気温で冷やされた窓が小さく曇った。
何か描けそうだな、なんて思って、頬杖をついていた右手はそのままで、利き手では無い左手の人差し指をゆっくりと窓に近づける。
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