*出逢い

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*出逢い

イルミネーションに飾られた夜の街を何かが走ってる…。 『今ぬいぐるみが走ってなかった!?』 『新種のロボットか?』 街を歩く人々が小さな足で走る何かを見つけて口々に言う。 僕わもう心がズタズタだ…。 走って走って、人間に見られてても走って… どうして…走ってるんだ? 僕わ何を求めているんだ? 僕わ誰を探しているんだ? 僕わテディベア。 名前なんて無いさ。 あっても仕方ないさ。 だって人間なんて、 僕らを只の飾りのようなオモチャとしか見てないんだから…。 だから…どうでもいいのに。 なのに…なんでこんなに走ってるんだ…? 苦しい… そうか。あの日にきっと、他のやつらと違うようになってしまったんだ…。 あの子に出逢ってしまったから…。
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