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『それでもお前は…この店の看板キャラクターだった。』
主はまだ語っている…。
『いつも小さな椅子に座らせてしまって悪かったな…。』
僕は気に入ってたよ…。
―…なんだか僕までしんみりしてくるぢゃないか。
なんなんだよ…。
そんな寂しそうな目で見るなよ…。
寂しいなら僕を買っていく客を追い返せばいいだろ!?
それでまたあのお気に入りの椅子に座らせて、
この店の看板キャラクターだ!!って。
誰にも渡せない!!トカ言いながら鬼のように客を追い返せばいいんだ!!
そんな小さな椅子に座りやがって!!
足が弱い癖に!!
こんな時だけ上等なお前の椅子に座らせんな!!
コロ…ッ
ポスン―…。
―…いらだち、心の中で叫んだ拍子に、僕は椅子から落下した…。
まるで、主に席を譲るように…。
つか…いてぇ💢
体㊥をじんじんさせていると、主が僕を抱き抱えた。
『…お前はあの小さな椅子の方がよかったのかねぇ…。』
よくわかってるじゃん。
さすが主。
だからお前が自分の椅子座れ。
お気に入りの椅子に座れると思ったら、主は僕を自分の膝の上にのせた…。
おい💢こっちかよ💢
そう思いながらも僕は、この主の膝の上に意外にも居心地の良さを感じた…。
『それにおまえはワシが…』
主がまた何かを語りだす。
だけど、居心地の良さが、僕を夢の世界に誘った…。
僕の…意識は…
ここ…まで…。
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