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涙が流れた。 予想もつかないくらい突然に、目から液体が流れた。 まだ私には、泣く資格があるんだろうか?泣けるだけ楽になるなら我慢して苦しんでいた方がいいんじゃないか?私に涙が許されるんだろうか? 私は誰もいない真っ暗な部屋で突然泣き出した。なんの前触れもなく、突然に・・・しゃくりあげたり、過呼吸になったり、目が真っ赤になったり、腫れたり、顔をグチャグチャにして泣いた訳ではなく。ただの液体が突然顔の上を流れていった。目から出てきたというだけで涙だというなら、これも涙と呼んでいいだろうか? 私はベットの上に座り込んで、右手でサッと顔をなぜた。一度撫ぜただけでなくなってしまった液体。あんたは何で出てきたの?私には今あんたは必要ないのに。私にそんな資格はないのに。 ドサッと倒れこんで考えた。 (あぁ・・・寂しいかもしれない。) 頭で理解しようとしたら、そんな答えしか出せなかった。孤独感はいつも私にくっついてきたものじゃん?何を今更泣いちゃってんの?あんたが小さな頃からコツコツ作った壁だろうが・・・何を今更その壁を見上げて涙しちゃってんの? ださい。 乙女なんて似つかわしくない。クールにサバサバとした女になりたいな。適当な笑顔振りまいてりゃいいのに・・・壁に気付かせないように、1人でコツコツとコツコツと壁を作り続けてりゃいいじゃん。あんたが自分で決めた事なのに、後悔なんて遅いのに、急に襲ってくる孤独感が私を弱くした。 「寂しいよ。」 誰もいない真っ暗な部屋。 私の声が消えてった。誰の耳にも心にも入らずに、私の弱さが消えてった。 真っ暗な部屋。私の部屋。 何年もかけて作った壁。簡単に崩されちゃったな・・・私は暖かい光に期待を膨らませてしまっていた。そのはかなく危うい暖かなものが、弱くて頑固な私には怖くて。でも沢山の幸せと教訓をもらった。どんなマイナスもプラスも私は私の肥やしにしよう。 あなたの影がついてくる。 あなたの影が私を押してくれる。あなたの影はどんな時にも薄れずに、私を成長させてくれるんだ。私はもっともっと恋します。もっともっといろんな人を愛します。あなたの影はどんな人にもついてくる。きっと大切な人に出会えるたびに、あなたの影に感謝します。 あなたの影がお守りになる。
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