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ふわふわ流れる雲。
涼しく暖かさを含む、風。
森に生き物はいないから、木の葉が風邪でこすれる音。風の流れる音。芝生がかさかさこすれる音しか聞こえない。
少年は目をつぶってひなたぼっこしている。
こうやってても一向に良い案は浮かばないが…
7日がたったとき。
月の浮かぶ暗い夜と、日差しのまぶしい青い朝を見て少年は閃いた。
「魔女をつくろうかな」
記憶の隅っこに残っている、魔女伝説。
「確か服装は…ローブに……ほうき?」
月の前で空を飛んでいる絵を見たことがある。
少年は鉛筆を見つけて、しっかり手に握ると、空に言った。
「お空さん。もっともっと雨を降らせて。そしたらきっと、卵ができると思うんだ。」
「わかったよ」空が言う。
少年は家の中でデッサンを練るため、意気込んで家の中へ入った。
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