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「アセるコトないのに…
意味分からないね。」
魔女はスティックを取り出すと、マグカップとポットを描いた。
そしてそれをチョンと触ると、マグカップとポットは現物になった。
「……」
少年は唖然とみている。
ポットの中には、ハーブティーがはいっているらしい。
魔女は気楽にお茶をしている。
「お茶、出せるの?他のも?」少年は魔女に聞く。
「なんでもだせる。」
「…じゃあ僕に朝食をだして!」
「…いやね」
魔女はピシャリと断った。
「え…」
「メンドクサい。」
「!!」
ぐぅーと、少年のお腹がなる。
「お腹減ってるのに…」
「知らないね」
少年は魔女が軽薄に見えた。
「いーよ、別に!自分で探してくるからぁ!!」
少年はちょっと寂しくなって、家を出た。
よくまぶしく濁る空。やっぱり今は、朝だ。
雨はざあざあ音をたて、また少年から活力とやる気を失わせる。
「…めんどくさぃ」
少年は、つぶやくと、次に大声を出した。
「お空さん、雨をやませて!!」
空は突然の要求にびっくりする。
ーまだ卵はできてないよ。
「お腹がすいたんだ。この雨じゃ、歩けないよ。」
ーわかった。
大粒の雨は、小粒になり、すぐに雨は止んだ。そして、空には虹がかかり、青々とした空が広がっている。
「ありがとう。」少年は空にお礼を言うと、一目散に全力疾走する。
すぐに息があがって、足を動かすペースが遅くなって、少年は小走りになった。
そのまま少年は森を突き抜け、今まで見たことがない、新たな広場へたどり着いた。
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