創造する者

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『大きな声を出せばいいんだよ』 ゆらゆらと揺れる、 黄緑色の細長い葉っぱ達が 言った。 「わぁ!!!」 僕はあるだけの大声をだして、 家に響かせた。 家はうにょうにょっと、 少し揺れただけで、 変化はなかった。 「…」 すぅっ、と 大きく息を肺まで吸い込んで、 「あ゛~!!あ―あ゛~あ゛ぁ゛~~~」 と、あらん限りの声を 僕は出した。 Bomn!! 煙と共に、 家は大きくなった。 僕の身長の8倍は大きいかな 「やったぁ!」 僕は大きく腕をあげると、 くるくるまわって喜んだ。 まだこの島には動物はいない。 「…お空さん。 雨を降らせて。 そうすれば、 明日には森中、 卵だらけになると思うんだ。」 『わかったよ』 空が言った。 空も、さっきの少年と同じように、 息を大きく吸い込むと、 力をいれて 体中に電気を起こした。 「わぁ」 少年は感動する。 指先も見えないくらい、 辺りが黒一色になる。 すると、頭上ではちらちらと 雷が光った。 「僕は家で休んでいるよ。」 少年はそう空へ告げると、 家へ入った。 家の中は、 何もかいていない白画用紙一枚のように、 真っ白だった。 少年は、自分の姿もさえも見えなくなってしまった。 「…わあ~どうしよ」 少年はひとまず 家に、足を踏み入れる。 自分が見えないのは問題だが、 なんだか眠くなって来た。 少年は眠気眼で、 あくびをして、 そして、それから、横になって寝てしまった。
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