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「お姉さんが!?」僕はきょとんとした目をする。
「家の中は戻しておくから、何か困ったことがあったら、泉にきてね。助けになるわ。」泉の女の人は言う。
「わかったよ。ありがとう」僕はわらって、早速家に帰った。
家に帰るとそこは、白一色の世界だった。少年は笑顔で、眠りについた。
ジリリリリリ‥
ーおかしいな。目覚まし時計なんてないのに。
僕は目を覚ますと、そこは真っ白な画用紙一枚の世界とは違っていた。
足にかかるふかふかなふとん。お尻にあたる暖かいマットレス。
上を見上げれば、鈴蘭のような白い電気に、窓を隠すピンクのカテーン。
「…うわ。戻った」
僕は青くなった。
「~」
僕は足をバタバタさせてしばらく暴れた。
もちろん真っ白なあの家の中には戻らないけど。
すると急に左横のドアが開いた。
「起きたんですか。おはよう僕。お布団ほすからどいてどいて。」
僕は犬か猫みたいに、片手をあおいでふとんから追い出された。
僕はしぶしぶそこをどくと、そのふとんを腕の中へ積み重ねている、白い三角ずきんのおばさんに言った。
「また、おばさんかぁ。」
「あたしのこといらないっていったみたいじゃない。まったく酷いご主人様ねぇ」おばさんは、ため息をつく。
「僕はこんなの創造してない。」
僕の言葉におばさんは、
「はいはい。」
とだけ言った。
「ピンクのきのこの創造主が、家は戻すって言ったんだ。
それに、空さんに、雨を降らしてって頼んであるんだ。」
「雨なら降ってますよ。もうざあざあ」
ピカッ
いきなり、ピンクのカーテンが光ったと思うと、
ゴロゴロゴロゴロ…
地を揺らすような音が鳴り響いた。
「…」
僕は黙ってその音を聞いていた。
「お布団ほしますから」
「もぅ干さなくて良いよ。」
僕は言った。
おばさんがでていってから、僕はベッドの上でぼーとしていた。
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