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グリーン&レッド
やってきたのは住宅街。
親が子供の枕元にそっとプレゼントを置く時間だろう。
今、一件の家の明かりが消えた。
家の周りを一回りする
子供部屋は二階だろう、動物の絵柄のカーテンを見て確信した。
物音をたてないようにエアコンの室外機を使いよじ登る。
子供部屋を侵入口に選んだ理由は、サンタを期待して子供が鍵をかけていないという可能性があるからだ。
我ながら汚い。
俺は先ほど人間のプライドを棄てた
そう、俺はクリスマスに他人に不幸を与えてやるのだ。
クリスマスプレゼントを盗むつもりだ。
金目のものが欲しいところだが、そこまでしたら捕まりかねない。
窓に手をかける
心臓が高鳴った。
ゆっくりと窓が開いていく
ただ戸締まりを忘れたのか、予想が的中したのかわからないが心の中で勝利を確信した。
難なく部屋に侵入成功。
幸いにも豆電球の明かりで周囲の確認ができた。
子供が寝ているが夢の中であろう。
さて、プレゼントはどこかなと、物色していると
「サンタ…さん?」
小さな眠そうな声
ゾクッとした…
ゆっくりと振り向く
寝言であってくれぇ…。
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