序章

5/5
43人が本棚に入れています
本棚に追加
/104ページ
木床を拳で打つ 腕を駆け上る衝撃 予想外だった 恐らくは、この部屋に敷設された結界によるモノ 『力』が……出ない。 こんな場所に閉じ込め、 父を 母を 生まれた地を奪い 名前をさえ奪い 弥(いよ)などと 卑弥呼(己)が一部であるなどと主張し 『力』をさえ奪うというのか。 少女の胸には今なお怒りが渦巻いていた。 焼けた肌が雪より白くなる程の時が過ぎようと、 『力』を奪い取られようと この心だけは譲らないと 主張するかのように。
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!