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王の間には、近衛兵が数人とベイガン、そしてバロン王が座っていた。
セシルは王にひざまづいて会釈した。
王「クリスタルを持ってきたのだな。」
セ「は。こちらに。」
セシルは王の代わりに来たベイガンにクリスタルを渡した。
ベイガンが妙にニヤニヤしているのが気になったが…。
ベ「どうやら本物のようです。」
ベイガンは王にクリスタルを渡しながら言った。
王「おお…!何とまばゆい!下がってよいぞセシル!」
王はクリスタルに気をとられ、セシルを見もせずに言った。
セシルはそのまま下がろうとしたが、王への疑念は振り払われなかった。
セ(陛下は一体…)
セシルは王に向き直り、声をかけた
セ「陛下!」
と、ひそひそ話し合っていたベイガンとバロン王は突然声をかけられて驚いた。
王「な、何じゃ!?」
ベ「な、何です!?」
ほぼ同時だった。
間髪を入れず、セシルは続けた。
セ「陛下は一体何を考えておられるのです!皆、陛下のことを不審に思っています!」
王「…。お前を…始めとしてか…?」
王の表情はさっきとは打って変わって冷たかった。
予想だにしていない言葉に今度はセシルがたじろいだ。
セ「! 決してそのようなことは!」
しかし、王の表情は冷たいままだった。
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