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しかし、決して評価される事はなく、自分の才能の結晶と引き替えに、いくつかのアドバイスと幾ばくかの日銭を受け取り、うちひしがれ、今の青年に分相応な安アパートへと帰り、また絵を書き続ける、そんな日々が続いた。
何故、世の中は自分の才能を認めないのだ?いつしか、焦りと怒りが交差した感情が青年の心に芽生えていた。
そんな暮らしを何年と過ごす内に、やがて青年も自分の才能に限界を感じる日がやって来た。
この作品を最後にしよう…自分にピリオドを打つために青年は傍らに銃を置き、キャンバスに自分を認めない世の中に対する思いを全てぶつけた。
怒り…
怨み…
妬み…
自分の作品を世界が認めなかった。ならばこの作品を見る者達には…
災いあれ…
災いあれ…
災いあれ…
鬼気迫る青年の思いが一枚の絵画となった。
そして、青年は自らに銃口を向け、まだ若い命を絶った。
数年の歳月が流れた。青年を知る人も彼を忘れかけていたある時、青年の遺した一枚の絵がある好事家の目に止まった。
彼は世界的にも有名な絵画評論家であった。彼の口から青年の遺した数々の絵の素晴らしさが世界中に伝わって行くのに、そう時間は必要ではなかった。
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