1・プロローグ

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「なぁ、那智‥孤独って何だと思う?」   公園のベンチに座りながら『向井暁人』は隣に寄り添う恋人『柚木那智』に向かってふと呟いた。 「孤独??ん~‥暁人がいないコトかなぁ‥」 二人が付き合い始めてもうすぐ1年。 那智は幼な顔の可愛い少女。 暁人も中の上と言っていい容姿の男だった。 他人から見ても幸せな二人だった。 「本当の孤独ってさぁ‥忘れられる事だと思わねぇ?」 暁人は那智の方を見ず、空を仰ぎながら続けた。 「那智はさぁ、忘れてる人いない?大事な人‥」 「大事な人ってさぁ‥忘れないんじゃない?それに‥忘れてる人って忘れてるんだから‥分かんないし‥」 困った顔で那智も暁人のマネをし空を仰ぐ。 いつものように時が過ぎる。
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