…不思議な体験…

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しかし… 着いたはいいが 右も左もわからない。 とりあえずは  (四条)って所に  いる事がわかるだけだ。 手当たり次第に 歩いてみようか。  わからなかったら  すぐに聞けばいいさ。 友人とそう相談して  服屋巡りをしていた。 そんな時だった。  「すいません。  待って下さい」 大きな声だった。  しかし…  こんな見ず知らずの場所で 呼ばれるはずもないし  知り合いもいない。  気にせずに歩き続けた。 だが…  「すいません。  ちょっと待って下さい!!」 の声は連呼しているし それにどんどん声が近付いて くるではないか。  恐怖心から振り向いた。 視線が合う…。  何故だ…なんなんだ? 走って逃げようかとすら オレは思った。  まだ中学生、  それに知らない場所。  でも…  オレを呼んでいる その人の顔は真剣だし  悪人には到底見えない。 服装はうろ覚えだが 神社の神主さんや  占い師のような服装。  その時だった。  【止まりなさい】 その様な言葉が脳裏から 聞こえたのだ。  それは聞いた事も ないような声。 男性でも女性でもない。 簡潔に言えば 人間の声じゃなかった。 オレは歩くのをやめた。 友人は動転している。 「逃げよう、早く早く。」 しかし…  オレにはもう  逃げる気さえなかった。
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