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「そもそもさ、何で店長までもが居るんですかね?」
矢野先輩が圧してきた。
「僕は颯くんがしっかり話が出来るか見てるだけだよ」
さりげなく、彼等に気付かれないよう、俺の方へ向き、ニヤリとした。
「…………先輩、すいません。ボクに彼女が出来ない理由……」
意を決したはずなのに、ここまでしか言えなかった。
那須先輩以外、呆れている様子。
「…颯。お前、そんな事の為に呼んだのか?馬鹿らし。帰んぞ、小川!村山!」
矢野先輩が遂に席を立った。
―――無理も無い。
俺がこうしてグダグダする事、1時間半。
痺れを切らしてもおかしくない。
逆に俺が先輩達の立場だったら、帰ってるかもしれない。
ドアノブに手をかけようとした時、俺の口がようやく開けた。
「俺、実は姉が好きだからなんです!」
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