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淋しい桜の木の中を歩いていくと、大きな桜の木が見えてきました。
他の桜の木の二倍ほどある、大きな桜の木でした。
その下で幸三郎は私の方に振り向き
「春!桜が咲いたら
帰って来る!
この下で待っててほしい!」
そう言ったのです。
私は嬉しくて、淋しくて…怖くて…涙が止まりませんでした。
そんな私を幸三郎は、
困った様な顔で、
優しく抱きしめてくれました。
私が顔をあげると、幸三郎の真っ赤な恥ずかしそうな顔がありました。
私達は優しく切ない接吻をしたのです。
私達は淋しい桜の木の下で、固い約束を交わしました。
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