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『寛人(ヒロト)!!早くしなさい!!!』
―あぁ.
今日も母さんが
俺を起こす為に
階段下から俺を呼んでる。
『ハイハイ…』
【このまま寝てて朝から小言を言われるのは頂けない-…】
そう考えた俺はまだ
寝ていたいと渋る体を無
理矢理起こし.部屋の隅に掛かっていた着慣れた制服に袖を通した。
―ふと.
自室にある鏡の前に立って
鏡の中の自分を見つめる。
鏡に映る自分の姿に.
昨日と何も変わらないその姿に.
少しの安心と
僅かな苛立ち
そして-…
とてつもない
【消失感】を
俺は感じた。
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