一人目

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クマはそっと聞いてみた 「まさか『あいつ』か?」 「間違ない……顔が母親にそっくりだ…」 「彼女結構べっぴんだぞ?」 「息子は不細工なとこだけ俺に似たな」 男はそう言いながらもうれしそうにコーヒーをすすっている 大量の涙を流しながら そして男は聞いてきた 「今日1日ここにいていいか?」 「俺の自慢のコーヒーを味わっってくれるならいつまでもいていいぞ?」 「…ありがとう」 「そんなに泣いてちゃコーヒーの味なんてわかんないだろうけどな」 そうここは小さな奇跡の起る 『クマ』という喫茶店 12月25日の奇跡 こうして今日も一人 『クマ』の奇跡に酔い痴れる
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