偶然

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「浩二ってさ、もしかして名字阿部?」 営業スマイルから素の顔に戻った浩二。 「えっ、あ、いや、なんで知ってんの??」 「あ、やっぱりなー。阿部ちゃんだよな?」 「えっ?あ、誰?」 戸惑いをみせる口調で指を俺に指しながら言った。 「あれっ?何、俺のコト忘れた?」 眼を細め、顔を近づける、浩二。 「俺も随分と変わったからなー」 そう言って俺はカバンから昔掛けていたメガネを取り出し、今のと掛けなおした。 「これなら分かるだろ?」 「んー…。あ、隆、、か?」 「せいか~い♪」 Vサインしてみせる、俺。 「隆、なんでココにいんの!!?」 「なんでって、お客さんだよ。阿部ちゃんこそ、まさかゲイバーで働いてるなんてねー…」 浩二と名乗った青年は、中学時代の友達だった。 その後、思い出話をしたり、浩二がゲイになるまでの軌跡を聞いた。
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