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一緒に来ていた同僚は数分前にお気に入りと一緒に出て行ったし。
同伴ってやつか…、ん、同伴かー。
「なぁ、浩二ってこのあと何時まで働いてんの?」
「あぁ、あと1時間ぐらいかな。どうした?」
「同伴できんのかなー、って思ってさ」
「ど、同伴!!?」
またビックリした表情をみせる浩二。
すると、カウンターにいた店員が、おネェ言葉で
「あらー、良かったじゃないの!浩二、あんた初同伴じゃないの!?」
「ちょ、ちょっと待てって。あっちゃんも落ち着いて」
『あっちゃん』と呼ばれた店員の胸の名札には『アツコ(オーナー)』と書かれていた。
むむ、この店員ここのオーナーだったのか。
「ちょ、隆、本気で言ってんのか!?」
「ああ、本気だとも。あ、俺じゃダメ?」
「いや、そういうワケじゃ…」
お、なんだ脈アリなのか?
面白くなって、さらに揺さ振りを掛けることにした。
「あ、アツコさん、ここのお店って×××もアリですか?」
「あらー。お客さん、相当気に入ったみたいねー。そういうことは全部この子たちに任せてあ・る・か・ら♪」
なるほど、要交渉ってワケか。
「いやいやいや、隆。話しがズレてないか?」
焦る、隆。
「あ、お客さん、ヤるなら店の裏にある『錦』がいいわよ」
「にしき?」
「そ。アタシの名刺を見せるとお値段が安くなるの」
そういってアツコは名刺を渡してきた。
「『錦』のお店は…浩二、案内できるわね?」
「ちょ、ま‥」
「コ・ウ・ジ、できるね?」
「‥‥ハイ」
最後はアツコの睨み顔で決めたのか、俺と浩二は店をあとにした。
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