怪ka!ki奇

隅っこ

「ねーちゃん何してんの？」

部屋のドアを開け放ったまま立ち尽くしている私に、ノブヒロが声をかけてきた。

「ノブヒロ…あんた、壁紙直したりしてないよね…？」

「は？俺、今帰ってきたトコだし。そもそも俺がそんな事すると思う？」

ノブヒロはランドセルを背負っていて、確かに今帰ってきたばかりのようだった。

それに、ノブヒロ自身が言うように、わざわざ私の部屋の壁紙を直したりなんかするとは思えない。

「ごめん、何でもない…。着替えるから、ドア閉めるね」

私はドアを閉めた後も、部屋の左隅から目が離せなかった。