隅っこ

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私はバイト先へ向かうため、仕方なく駅へと歩いた。 20分程遅れると言った手前、少々時間を潰さなくてはならない。 駅のホームにあるベンチに腰かけ、ボーッと過ごした。 何も考えたくなかったが、どうしても隅っこの事が浮かんできてしまう。 コンクリートの壁がめくれるなんて事は、あり得ない。 でも私の目にはハッキリと、表面だけがペロンとめくれているのが見えた。 最初は自分の部屋で… そして今度は学校… “もー、アキの頭オカシクなったのかと思った!” カヨの言葉がリフレインする。 もしかしたら私は本当にオカシクなってしまったんじゃないだろうか? そう思うと、微かに涙が込み上げてきた。 違う…違う。 私は頭を小さく振りかぶり、自分自身を勇気づける。 一番初めに見つけためくれは、本当に壁紙がめくれあがっていた。 きっと、きっと疲れているだけだ。 ふと時計を見ると、思った以上に時間が経っていて、私は慌てて涙を拭うと電車に乗りバイトへと急いだ。
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