call

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自分の携帯に自分の携帯から電話をかけると死んでしまう事があるらしい。 騒がしい大衆居酒屋で、テーブルの上に置いてある私の携帯を指差しながら斉藤さんが突然そんな話をしだした。 この手の話は、今ハヤリのいわゆる都市伝説だろう。 へぇそうなんですかとあまり気のない返事を返すと、斉藤さんは私を咎めるような口調でお前信じて無いだろうと言った。 信じる信じない以前に。 女子高生じゃあるまいし、大の男が二人、酒を酌み交わしながら顔を突き合わせてするような話じゃないだろう。 「まぁ、その手の話ってありきたりですからね。トイレの花子さんや音楽室の肖像画…学校の七不思議と大差ないでしょう」 「普通はそう思うよな」 斉藤さんはヘヘヘと笑い、意味ありげにコチラを見ている。
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