19人が本棚に入れています
本棚に追加
こういう話に信憑性を持たせる為に、○○が死んだというのは常套手段だが、えてしてその人物は
友達の友達のバイト先の知り合いの友達の友達
だったり、
先輩の兄の同級生の恋人の妹が出会い系サイトで知り合った人の知り合いの友達
だったりと、話を持ち込む本人から関係が遠いのが常だ。
つまりはそういう話をする奴に、本当にその事件を目の当たりにしたり体感した奴はいないって事だ。
だが、斉藤さんは『俺の友達の友達の』ではなく『俺の友達』と言った。
「病気か何かで亡くなったんですか?」
「バカ、お前何聞いてたんだ」
「冗談ですよ。勿体ぶらずに早く話して下さいよ」
斉藤さんはうっすらと生えている小汚ない無精髭をなで回しニヤリと笑うと、静かに話して始めた。
最初のコメントを投稿しよう!