call

7/7
前へ
/32ページ
次へ
用を足し終え、何か釈然としない気持ちで手を洗っている時、ふと壁際に貼ってあるカレンダーに目が止まった。 今日は3月31日だ。 明日からは人によっては希望の、人によっては絶望の、私にとっては昇格して主任となるべく4月が始まる。 私はカレンダーの目の前に立ち、穴の開くほど見つめた。 4月1日という日付を。 いつ誰がどうして決めたのかなんて知らないが。 明日は、エイプリールフールだ。 腕時計に目をやる。 時刻は23時40分を過ぎたところだった。 つまり、4月1日まであと20分足らずという事だ。 私の中で、ある考えが渦巻き始める。 ひょっとして、私は担がれているのではないだろうか? 斉藤さんの酒の肴にされているのではないか?
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加