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壁紙は私の心配をよそにキチンとつき、元通りになった。
日が経つにつれ私はその事を忘れて、学校や部活、塾にバイトと目まぐるしい生活に追われて毎日を過ごす。
今月はバイトを頑張ったオカゲで、いつもより多めの収入になった。
前から欲しかった壁掛け時計をやっと買う事ができるな、とニコニコしながら家に帰った。
「ノブヒロ、私の壁掛け時計あげよっか」
「いらねーよ。ダサイじゃん、アレ」
最近の小学生って、本当かわいくない。
私は部屋に戻り、時計を見上げる。
近所のホームセンターで二千円で買ってきた、いかにも安物ですという造りは、確かにあまりカッコいいとはいえない。
コッチの時計はどうするかな、と考えていると、またあの部分がめくれている事に気がついた。
しかも前より大きく、3cm近くめくれている。
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