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その声に黒川くんも周りの連中も、驚いたように私に顔を向けた。
カッコ良く啖呵切ったものの私の足は小刻みに震えていた。
だけど自ら矢面に立ってしまった以上、後には退けない。
「こんな事して恥ずかしくないん?」
その声に周りの連中は呆気にとられたかの様に一瞬の沈黙があった。
「なんやお前、偉そうな口利いてくれるやんけー」
グループのリーダーらしき男が凍るように冷たい目で私を睨む。
まるで人の心を持たない獣のような目。
「関係ないやろー」
「引っ込んどけやー」
周りの男たちも口々に怒声を飛ばす。
私は泣きたいぐらい怖いのをぐっと堪えて拳を震わせた。
「お前も痛い目みたいんか?よお?」
そう言いながら、リーダーの後ろに居た男が近づいて来て私の襟首に掴み掛かる。
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