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『じゃあね!お疲れ様!』
その日の仕事が終りチェリーはタクシーを拾った。
何気なく外を眺めていて、またマックの前を通った時、二階の窓にまたあの男の姿が見えた!
『運転手さん!ちょっと停めて!』
チェリーはタクシーを降りるとマックに向かった。
何か…気になった。
悩みでもあるのかしら…?
いつものメニューを頼み二階に上がった。
今日は耳に手を当てて寝ていた…。
この人大丈夫なの…?
チェリーは食べ終えても暫く横で様子を見ていた。
疲れた横顔に、ボサボサの頭…。
チェリーは思い切って話しかけた…
『あの…大丈夫ですか?』
『うっ…あぁ…大丈夫です。』
『一昨日もいらっしゃいましたよね?』
『えっ…あぁ見てましたか、お恥ずかしい…。』
少しはにかんだ顔が歳のわりに可愛かった。
『貴方は…こんな時間に若いお嬢さんがいけませんね。』
『あたしは、仕事帰りですから…』
『こんな時間まで!大変ですね…ご苦労様です。』
チェリーはドキッとした!
歳は30代も中ばを過ぎているであろう疲れた男性の労いの一言…そんな事を言われたのは久しぶりだった。
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