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正哉はそれから練習に明け暮れた。
しかし…菜採は思っていた、そんなものに優勝したって芸能界で生きていける程甘くはない…。
菜採は優勝の願いと裏腹にいつまでも夢を追う正哉に哀れみすら感じていた。
昼休み菜採のケータイが鳴った!
『菜採か!俺、二次審査うかったよー!』
正哉からだった!
『本当にー!?』
驚いた…駄目だと思っていたのに…。
堪えた涙が溢れた…
『菜採、今日少しだけど金が入ったんだ、大したもの食えないけど…何かご馳走するよ…』
菜採は泣いた…最近やる気のなかった正哉が 生き生きとしている…。
あたし…やっぱり正哉が好き…。
夜少し洒落たレストランで食事をした。
『大丈夫なの…?正哉、ここ高そうだよ…』
菜採は小声で言った。
『心配するなよ!大丈夫。』
正哉は前みたいな笑顔で菜採に笑った。
美味しい…正哉と食べると…。
忙しい日々に追われながらも菜採は、正哉の優勝を願って働いた。
しかし…。
三次審査の夜 正哉から連絡がケータイに入った。
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