菜採の恋

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『菜採か…俺落ちたよ…』 やっぱりな…菜採は思ったでも、それは正哉に現実を見てもらう意味でちょうどいいと思った。 『でも俺諦めないぜ!』 『えっ…?』 『実はもう一つの大会に応募してるんだ!』 得意気に話す正哉の声は菜採には聞えなかった… 『頑張って…』 菜採は精一杯明るく答えTELを切った。 もう…だめだ…。 菜採はフランスで開かれているマラソンのイベントに参加した。 全てをふっきる為に… 新しく生まれ変わる為に… フランスに旅立つ日が近づき、それでも正哉は練習に明け暮れて中々帰っては来なかった。 旅立つ日に菜採は手紙を書いた。      正哉へ 貴方が夢を追い求める姿…応援してました。 でも…貴方はあたしの事を見てはくれなかった。 ごめんなさい…少し違う環境で考えたくなりました。家賃は前払いですから、今月までは住めます。 家具は置いていきます、使って下さい、いらなくなったら捨てて下さい。 psデビュー出来る事をあたしも祈ってます。 頑張って!大好きな正哉へ。
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