満月の夜白桜の下で

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【ナレーター】 夜9時、満月が地を照らす。 【桜庭蜜華】 確か裏庭だよね…。 【ナレーター】 少女は学園内の裏庭への道を辿っていた。裏庭に近付くにつれ歩く速度も早くなる。そして裏庭へ続く一本道を駆け抜けた。 【桜庭蜜華】 わ…咲いてる…。 【ナレーター】 裏庭の中心で白桜は花弁を散らしていた。満月独特の青白い光を反射し白桜自体が光を放っている様な錯覚に陥る。 【桜庭蜜華】 …綺麗。 【ナレーター】 言葉では表せない美しさを持つ白桜に少女は吸い込まれる様に歩み寄り、そっと根元に腰掛ける。 【桜庭蜜華】 白桜ってこんな花なんだ…。 【ナレーター】 少女はそっと空を見上げた。満月と花弁が重なる。すると白桜が散らした花弁が舞い、そして白桜自体が青白い光を放ち始め少女を包み込んでいく。 【桜庭蜜華】 な、何これ…!? 【ナレーター】 次の瞬間、光は消えた。白桜は普段の枯れ木の姿に戻り。少女は時を越えた。
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