恋心

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恋は虚しいですね。私は仏教高校に通っていて、『愛別離苦』と言う言葉を習いました。それは読んで字の通り、愛し合うものがいつか必ず別れる時、苦しみを伴うと言うものです。前半で言う「必ず別れる」と言うのは、死ぬ時に必ず別れると言うことですが後半で話す事は、遠距離についてです。 愛別離苦は私たちが生まれて来た宿命で、この問題ばかりはどうにもすることができません。なぜ別れなければいけないのか…。いつでも側に居たい。それは恋をしていると誰しもがそう想い、苦しむこと。そして二人が愛し合っていたらそれはいっそ強くなる。その苦しみはやがてストレスになり、涙となって流れ落ちる。 私の18年間の人生のなかで、彼女の存在は一番大きかった。二人で居たら地球が滅んでも私たち二人は生き残れるとさえ思えた。 しかし遠距離になった私たちに襲いかかった、「時間」と言うのは残酷で二人の敵だったのだ。 あの日「必ずまた一緒になる」と誓い合った約束は時と共に見事に崩れ、流れていった。そして時が流れるにつれて想い出は風化され、彼女が存在していると言うことだけが脳裏を廻っていた…。 これは私の体験で、やはり皆がそうとは限りません。この世界中で今も遠距離で苦しんでる人、遠距離から解放されて幸せを感じている人沢山いることでしょう。しかし、お互いがお互いを思う気持ちは揺るぎない事実です。そして必ずそのことが、また記憶として蘇ってくる日も来るはず。そのときに結果がどうであれ、後悔しない様に今を生きる事が大切なことだと思います。
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