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「だってあたしの寝てた布団、冷たくなっちゃったから嫌なんだもん」
「どんな理由だ……」
孝斗さんの背中にピッタリとくっ付く。
「あったかい……」
孝斗さんの心臓が跳ねたのを、体が感じ取る。
とくん、とくん、言ってる。
温かくて、この心音が心地いい。
傍にいたいなぁ……。
出来るなら、ずっと……このぬくもりを感じていたい。
あたしはユウキ。
あなたが呼んでくれるから、あたしはユウキ。
他の名前なんかいらない。
必要ない。
傍にいれるのなら……。
孝斗さんの心臓の音を子守歌代わりに、夢の中へ落ちていく。
そのぬくもりに、温かさに、また少し涙が出た。
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