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序章
―カッ…ゴロゴロゴロ…
雷鳴が鳴り響く。
薄暗い城の中で、鍵は扉を拒み…離れていく。
長い廊下…階段を上がれば、幾つも扉がある。
その中で一番立派で大きな扉が少し開いていた…。そこで鍵は止まる。
ザァァァァァァ――
雨が降り始めた。
――――――――
扉の向こうで男がニ人で話している。
一人はドラゴンの羽を象った椅子に座って…長髪で銀色の髪を左肩から垂らし下の方で結んでいる。男の眼は鋭く朱い。
―…名は、
「…ザラージュ。何の用だ?」
男の名はザラージュ。
もう一人は扉に背を向け立っている。二本の漆黒の角を生やし、背に大きな双剣を提げている。
「ブラム…。何時も言ってるだろう?"様"を忘れるな"様"を。クックッ」
「………用件は?」
「ああ、今日にしようと思うんだよ…。」
「……。」
「本日、魔の者を解き放つ。」
ザラージュは不適に微笑み話を続ける
「今日は天候も良い…最近は扉の警戒が薄くなってきてるし、好機だよ。弱き人の者とは違い我らに天候など関係ないからね。
……ブラム何時でも出られるのだろう?二万の同胞は…。」
「当然。」
即返ってきた返答に満足そうにクックッと笑いながらザラージュは椅子から立ち上がり窓から雷雨のひどい外の様子を眺めている
ブラムもそれに吊られ外に目をやる
「遂にだな。……ン?」
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