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「で、どうなんですか?」
「どうって…」
「年下ってダメ?」
「そんな風に見た事ないから、いきなり言われても…」
タジタジの桔梗に秋吾は気負うことなくたたみかけてくる。
「じゃあ今度デートしよう」
「え?」
桔梗はすっかり困惑していた。
まさかこんな展開になろうとは思いもしなかったので、戸惑うばかりで思考が追いつかないでいる。
すると木通がここで口を出してきた。
「良いんじゃないの?」
桔梗は木通の方へ向いた。
「木通…」
「秋吾君にチャンスくらいはあげないと。まあ付き合う云々(うんぬん)は置いといたとしても、二人で楽しんでくれば?」
桔梗は考え込むようにしてふと秋吾を見ると、秋吾は桔梗に向かってニコッとした。
別に意識したわけでなく無意識に微笑んだのだが、その笑顔を見た途端桔梗の胸に甘い痛みのようなものが走った。
(何だろうこの痛み…懐かしいような…)
桔梗が黙っていると秋吾は桔梗の顔を覗き込んだ。
「取り敢えず公園散歩なんてどうですか?」
「う…ぁ…の」
「良いよ。決まり」
そう答えたのは桔梗ではなく、何故か木通だった。
「ちょっと待って、何で木通が答えんの!?」
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