2、通勤(バイトへ)

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もう一度言おう...薫は身長178cm、体重0.1t(100kg)の妄想男である、現実はこうだ! 愛車の緑色のママチャリ(24インチ)に跨り必死にペダルを重々しくこいで行く姿は既に見苦しく... マウンテンバイクなんてとんでもない! 胴長短足の彼にはとてもじゃないが、マウンテンバイクは脚が届かない! ウォークマンを聞いてるのはHYはお気に入りの曲...ではなく、友達から 「女の子とデートの時に車の音楽をHYにしたら結構評判良いで!!」 と聞いたから聴いてるのであって決して自らの意志ではない... 音楽関係にはうとい薫、少しでも女性にモテると言う情報は逃さないのである... 因みに薫は車の免許を持っていない... 女子高生とすれ違う時は音量をMAXにするのだ、女子高生の話を聞きたくない... 「見て! あの人! 自転車が可哀想...」 「ほんとだ、タイヤ潰れてるよ...」 「自転車が小さく見えない?」 「自分の体系考えろよ! デ~ブ!」 と必死に自転車をこいでいる薫を後目に悪口を言いながら追い抜いて行くのだ... 時に女子高生の残酷な言葉を耳にした薫は、ウォークマンを購入し常に聞いてるようにしたのだ... 「いや~...目が合っちゃった...最悪...見るんじゃね~よ!」 「早く行こう!」 (...クソ~、言いたいこと言いやがって... でもやっぱりミニスカートはいいな~...) ...もはや残念で救いようがないくらいに人間失格である。
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