02:桜なのか櫻なのか

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追っ手に見つかる前に、早々に立ち去りたい。   「い、いいから降ろして!!」   「あ、うん」   騒がしい子だ。   「あ、うん。じゃなくて降ろしてって!! わ、わ、私をた、食べるつもり!?」           私を食べる?                 何言ってるんだこの子。   俺は取り敢えず女の子を降ろす。 「?」 何故そこで不思議そうな顔をするか分からない。 だがこれだけは言おう。 「興味無「いたぞおおお!!」」         俺が言葉を終える前に、何者かの大声がかぶさった。  しまった、追っ手か!?   我ながら油断し過ぎた。   叫び声が聞こえた方を見ると、尾行班Aがこちらに向かっていた。       逆を見ると、尾行班Bがいやらしい笑みを浮かべ、やはりこちらに向かい歩いている。   見事に挟まれたようです。   もはや尾行とか細かいこと気にせず殺りにきた顔だ、アレは。       不味い、一言で言えば『絶体絶命』   一文字で言えば、『泣』     しかし万策尽きたわけでは……無い!!   こちらには今し方手に入れた駒が有るのだよ。                「こっちに向かってくる男の足止めをしてくれると有り難い」   「え?」    「俺、逃げるから」   「…………」               そんな冷めた目で見ないでおくれ。   策なんて浮かばないし、強行突破しかないよ、もう。       でもさ、文中では語らなかったけど、二人共凄い筋肉質なんだよ。       正直、無理そう。   ヒーローまだー?
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