02:桜なのか櫻なのか

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このオナゴ、意外に役立つようだ。   幸い敵は、人質だと思ってるみたいだから、もしかしたら盾にすれば脱出可能……?                   勝機(☆。☆)キラーン                       「このオナゴを返して欲しければ、そこを通すんだな」   俺は光の速さで女の子の背後を取り、唖然としている男共に脅しを掛けた。   プライド?   なにその天下一武道会。       なりふり構っていられないもの。   良いではないか、良いではないか。 今日から私は鉄面皮。         「状況が飲み込めないんだけど、これは後できちんと説明してくれるんだよね?」   人質は怪訝そうな顔を向け、こちらに同意を求める。 少しくらい空気を読んでください。 「人質は人質らしくしててくれ」   「…………」   「すいません調子に乗りました、ことが終わり次第きちんと説明させて頂きます」   人質は納得してくれたのか、静かになる。   これで、勝利が約束された。   同時に、大切な何かを失った気がする。                       何を今更。       俺は人質を盾にし、Aを退かせた。   Aは苦虫を噛みに噛み潰したような表情を浮かべたかと思うと、悔しそうに顔をしかめた。   「櫻様を人質に取るとは、この男にプライドは無いのか……くっ!!」                           櫻……様……?  
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