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このオナゴ、意外に役立つようだ。
幸い敵は、人質だと思ってるみたいだから、もしかしたら盾にすれば脱出可能……?
勝機(☆。☆)キラーン
「このオナゴを返して欲しければ、そこを通すんだな」
俺は光の速さで女の子の背後を取り、唖然としている男共に脅しを掛けた。
プライド?
なにその天下一武道会。
なりふり構っていられないもの。
良いではないか、良いではないか。
今日から私は鉄面皮。
「状況が飲み込めないんだけど、これは後できちんと説明してくれるんだよね?」
人質は怪訝そうな顔を向け、こちらに同意を求める。
少しくらい空気を読んでください。
「人質は人質らしくしててくれ」
「…………」
「すいません調子に乗りました、ことが終わり次第きちんと説明させて頂きます」
人質は納得してくれたのか、静かになる。
これで、勝利が約束された。
同時に、大切な何かを失った気がする。
何を今更。
俺は人質を盾にし、Aを退かせた。
Aは苦虫を噛みに噛み潰したような表情を浮かべたかと思うと、悔しそうに顔をしかめた。
「櫻様を人質に取るとは、この男にプライドは無いのか……くっ!!」
櫻……様……?
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