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「そう言えば、櫻……さんは教室に用があったんじゃないの?」
教室を出て昇降口へ向かう道中、ふとそんな疑問を口にしていた。
別に人質で有り続けることを強制している訳じゃなし、寧ろ付いてこいだなんて言っていない。
熱も冷め、だいぶ落ち着いた所為も有り、冷静な思考が出来ていた。
空腹感ばかりは拭えないけど。
「え、えと……あれよ、あれ……そう!! 人質なんでしょ、私? 困ってたみたいだから仕方なーく付いてきてあげたの」
あ、そう言うキャラなのか。
と俺は納得した。
疑問は全く解消出来ていないが、仕方ない。
こちらとしても都合は良いから、利用させてもらえるなら利用させてもらうだけだ。
校門に、まだ強硬派がいるかもしれないし。
うん、お腹減った。
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