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ソレが起きたのは学校へと繋がる横断歩道でのこと。
世界記録でも弾き出すのでは無いかと思う程の快走で、なんとか遅刻を免れることが出来そうな目処が立った。
所謂、近道と言うべき道を抜けて開けた道へと出る。
すると目前には、あら不思議。
目的地が見えるでは有りませんか!ってね。
横断歩道を渡れば、直ぐそこは学校。
気分は上々でしたよ。
横断歩道に目を向ける迄は、だから困る。
視界に学校を収め、スパートを掛けるべく横断歩道へ体を向けると、そこには何やら人垣があった。
怖そうなお兄さんが3人と、自分と同じ学校の制服を身に纏った女の子が1人。
何やら不穏な空気が漂っている。
事なかれ主義の自分からして見れば、あそこに近づくのは躊躇われたが、遅刻寸前! 背に腹は変えられない。
私は無関係ですよー的なオーラを全身に纏い、横断歩道へと身を投げた。
後悔はしない。
横断歩道の近く、集団の後ろ……と言っても程々に離れた場所で足を止める。
後は、信号が青になった瞬間に駆け抜ければ…。これが今考え得る至高の選択肢だろう。
しかし、まぁ女の子一人に集団で集る怖そうなお兄さんってのも不埒な香りがする訳で。
楓は様子を伺った!(盗み聞き的な意味で)
いかにもチャラ男を彷彿させる様なイントネーションの、気持ち悪い声が聞こえてくる。
「ガッコーなんかサボって俺らと遊びいこーや」
あぁ、やっぱり。と素直に納得してしまう程予想通りの台詞だった。
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